発電用 堤高(m) 73.2 堤頂長(m) 191 堤体積 (千立方m) 146 総貯水容量(千立方m) 19120
『山奥!』
四国の山奥のそのまた奥の『大森川ダム』である。揚水発電のためとはいえこんな場所にダムを造るのにはかなりの費用と労力がかかるはずである。その問題を少しでも解決するべく、このダムは全国でも13基、四国で2基しかない(あと1基は『穴内川ダム』 説明もここを参照)「中空重力式」構造を採用された。これによってコンクリートの費用のみならず、その輸送のコストも大幅に軽減されたはずである。
このダムの目的は揚水発電の上池としての役目だけである。大森川は、源流である岩間山近辺から吉野川への合流地点である長沢までの間、川岸に民家がほとんどないので治水や利水の必要はあまり無い。そのために当初その水は、大森川貯水池から導水路をとおって直接に長沢ダムの発電所までの行き来だけをしていたので、下流に水が流れなくなり一時は川が枯れ川になりかけたこともあるらしい。それを現在は河川維持のためにダムを常に放流をしている状態にしてから、大森川も復活している。いかに人間の発電優先とはいえ、むやみに自然を荒らさないための共生の哲学である。こんな山奥の小川にも山奥なりの存在意義がある。山や森を大規模大胆に切り開いて宅地を開発した大都会よりも、誰も住まない小川1本を大事に思う四国の山奥のダムのほうが、遥かに人間らしい心を有した構築物であるのではないかと、ふと感じる。
近くのスポット 『四国温泉88箇所36番 吾北むささび温泉』 http://onsen88.info/index.cgi?Sshop=42
判子のありか 「ひとこと欄」参照
ダム便覧 http://damnet.or.jp/cgi-bin/binranA/All.cgi?db4=2311
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「ダム下流正面。自然維持放流中である。」
ダム下流正面。自然維持放流中である。
「ダム左岸の林道の急坂を登っていくと、森林の中に顔を見せる。」
ダム左岸の林道の急坂を登っていくと、森林の中に顔を見せる。
「ダム堤体。そこそこの体積であるが、内部は中空構造である。」
ダム堤体。そこそこの体積であるが、内部は中空構造である。
「『伊留谷林道』を通り、ダム湖奥の山の斜面より、遥かに下にダムを望む。」
『伊留谷林道』を通り、ダム湖奥の山の斜面より、遥かに下にダムを望む。
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